観劇

Nov 22, 2008

舞台版『黒部の太陽』@梅田芸術劇場

バタバタしているうちに、観劇してから1ヶ月以上たって、千秋楽もだいぶ前に過ぎちゃいましたcoldsweats01

ともかく、記録には残して置こう!と、今更ですが……

ついに大阪の地を踏んだ!!って話の方は近日中に別エントリーで書くとは思いますので、ともかく舞台の話を。

『黒部の太陽』と言えば、ある年代の人は「ああ、あの裕次郎の映画!」ってなるくらいの大作映画が存在しています。(その前に、原作小説もありますが)

私もさすがに映画そのものを見た事はありません。なにせ、この作品、その後ビデオなどになる事の許可が出ていないため、ほとんど幻の作品になってしまっています。(12月に梅田芸術劇場で1回のみの上映があるそうです。)

そんな、幻の映画の舞台化!ってのが多分、最大の売り。

実際のところ、映画作品からの舞台化ってのは最近のミュージカルだと、ディズニーアニメが続々と出てるし、私が見に行った作品でも『レベッカ』は映画が先にあります。そういう意味では珍しい事ではないのかもしれませんが、今回、特に個性的だったのは、映画のストレートな舞台化ではなく、映画のメイキングを含めた舞台化になっていた点です。

『黒部の太陽』の物語は、黒四ダムで知られる黒部の巨大ダム(&水力発電所)を建設するために必要なトンネルを完成させるまでの苦難の話です。中島みゆきの「地上の星」をBGMにプロジェクトXでその秘話を涙ぐみながら(汗)ご覧になった事のある方も多いかと。

では、映画メイキングの物語は何故、わざわざ舞台に組み込まれるのか……もちろん、製作:石原プロモーションって事情が存在するから、と言うのもあるでしょうけど、実は、映画の製作の裏側にももう一つのプロジェクトXが存在していたから、だと思います(思いたい、というか)。

これまた、数年前にTV放映された石原慎太郎原作の裕次郎の伝記ドラマ『弟』をご覧になった方はご存知かと(汗)。

石原プロモーションが当時の日本の映画界にあった5社協定(言ってみれば、俳優、監督、配給先の囲い込み)を破り、製作に踏み切ったことと、スケールの大きな撮影はかなりの苦難だったようです。

そんなわけで、舞台は二重構造で進んで行きます。中村獅童は裕次郎であり、トンネル技師の青年、岩岡であり、私のお目当ての神田正輝は三船敏郎であり、関西電力のトンネル現場責任者(?)の北川である、という感じ。

映画のメイキングのシーンになると、当然、実在の人物(ほとんどの方は鬼籍に入ってるけど、存命の方もいる)を演じる事になります。と言っても、両方を演じ分けなくてはいけないのは、上の二人だけ。

あとの監督役の人(宮川 一朗太<この人は私の中ではマイケル・J・フォックスwink『ファミリータイズ』の吹き替えは最高!でした)や若き日の小林専務の人は、その役が専門。

石原プロモーションでのシーンは、小ネタ仕掛けは色々あって、それこそファンサービスとしては良くやってるよねぇ、って感じなんです。

たとえば、壁にある裕次郎主演映画のポスターが獅童さんの顔に挿げ替えられているとか、若き日の小林専務が石原プロ名物の炊き出しの原型(?)をしてみたり、兄慎太郎役として渡哲也が映像で現れたり(<おいTV電話か!と突っ込みたくなるシーンでしたが)……

なんだけどぉ、なんだけどぉ……

申し訳ないけど、このメイキングにかかわるシーン、要らないよ、って気分になるんだなぁ、これが。

一つに裕次郎も世界の三船も、有名な上に、まだ記憶に新しすぎて、演じている方もやりにくいだろうけど、見てる方もどうにもこうにも。

贔屓目に見たって、神田さん演じる三船さんは……っていうか、三船さんを演じてる時の神田さんは楽しくない。北川さんを演じている時は生き生きしてるのに!!

でもって、最後のシーンが本当に蛇足!

非常にドラマチックなトンネル貫通の後に、映画製作側の話に戻るのですが、それも現在、この2008年。

ってことは、主演のお二人は鬼籍にお入りになってるので、スモーク焚いてのどうやら天国!?映画を撮られた監督さんも最近そちらに仲間入りしたそうでう。

獅童さん演じる裕次郎が天国から現在の日本映画界に喝を入れるような台詞を言うのですが、その横で、まだ北川さんの衣装の神田さん(三船)が黙って立ってる。(三船さんは寡黙=黙ってそこにいるが演技プラン!?)

で、最後の決め台詞が「俺は待ってるぜ!」<裕次郎の映画の中での有名な決め台詞ですね。

私も、実際に映画では見てないけど、CMで切り取られたシーンとかで見て、耳にした事があります。

そんな有名な台詞をそんなところで言わされるのも大変だよね、当然だけど、オリジナルとは全然違うし。でもって、その違いがどうしても気になっちゃって入っていけない。

その前のシーンが、ホントにみんな号泣のいいシーンだったの、大阪のノリのよいお客さんはたち、思わずあまりな「俺は待ってるぜ」に声上げて笑っちゃってましたよ。泣き笑いな話は好きだけど、こんな泣き笑いはカンベンweep

核になる、トンネル工事の物語は実話の持つ力と、すでに映画で練られた物語に乗っかっているので、ストレートに伝わってくるものでした。ただ、映画では問題にならない場面転換が舞台ではキビシイですね。

トンネルの現場、飯場、関西電力の本社、北川の自宅と場面がどうしてもあちこちに行かざるを得ないのですが、そのたびに暗転して、テーマミュージックが流れて……う~~ん。

ああ、なんか悪口ばかり書いてるようで……

色々と、拙いといわざるを得ない点はあるものの、観客の心はがっちりつかんでるのも確かでした。

岩岡親子の対立や、病気の娘を残して山に篭らなければならなかった北川。現場での不幸な事故で失われる若い命……それでも、立ち止まらないで日本のこれからの発展のためにと突き進む男たち。

観客のほとんどはそんな高度成長期のがむしゃらさを体験している人たちばかりなので、あちこちで涙をすする音が聞こえてきます。(って言うか、自分も涙が出たし。なのに、なんでサイゴンでは泣けないんだ、自分!?)

私の隣の紳士っていうより、おいちゃん(汗)は、よほど泣いてる姿を隠したかったのか、ジーンって来るシーンになると、あわただしく団扇だか扇子をパタパタとさせて、それがまた変な音がするもんだから、オイオイって(苦笑)。

そうだ、オイオイって言えば、スポンサーがよ~~くわかるシーンが多くて笑っちゃった。

裕次郎→渡哲也といえば、松竹梅のCMを歴代しているので、当然、協賛スポンサー。で、舞台上で飲酒のシーンがあると、そこに出てくるお酒は全部、松竹梅。

北川さんの自宅では、どう見てもビールの大瓶のサイズなんだけど、ラベルは松竹梅。飯場の酒盛りも贅沢にも松竹梅。トンネル貫通の鏡割りも松竹梅。まぁ、鏡割りはいいんだけどね、他のシーンはちょっと苦笑。しかも、役者さんたちがすごく気を使って、ラベルが客席に見えるように置いたり、持ったり……ご苦労様でしたhappy02

そんなプロジェクトX二本立てな舞台だったわけですが、世の中的に注目だったのは、なんと言っても大放水シーン。見に行くとか、見た、というと「ねぇ、水のシーンどうだった?」の質問が返ってきました(笑)。

ええ、見に行く方だってそこは気にならないと言ったらうそになる(爆)。

そんな観客の好奇心に応えるように「バックステージツアー」が抽選で実施されていましたが、残念かなそれは外れちゃいました。どうなってるのか、見たかったなぁ。

ただ、確かに直接の水流は客席には来ませんが、役者や大道具に当たってはねる水がありますから、3列目ぐらいまでにはビニールの水よけが貸し出されていました。8、だか9列めだった私のところでは、水は直接は来ませんが、わずかな飛沫は頬に感じられました。それと、びしょぬれになった役者さんたちが通路を走るので、通路際の席だとちょっとは水滴がくるかも。

さすがに放水は1幕の最後。休憩時間に濡れた舞台の床を掃除してました。

なんだかんだで、すっかり長い文章になってしまった(汗)。

ま、今回も神田正輝を生で見られて嬉しかった!ってことで(笑)。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Oct 23, 2008

ミス・サイゴンの思い出

7月からの『ミス・サイゴン』の東京公演もついに千秋楽を迎えました。

と言っても、私自身の見納めは先月、芳雄くんの前楽でした。すぐに、観劇記録を書くつもりでいたのですが、何故かずるずると引っ張ってしまって、もう観劇の記録ってほどの記憶も無いかも(汗)なので、今回は『思い出』。

3回目(最後)の観劇に限らず、『ミス・サイゴン』を観て感じた事などをつらつらと。

初じめて見たときは、クリス、エレン、ジョンの3人のアメリカ人に対して、ちょっと「安全なところから差し伸べる援助」を垣間見て、居心地の悪い感覚がったのですが、2度目の観劇では、やはりどこかまだ、そんな偽善のようなものを感じながらも、それでもラストシーンに「クリスって2度も大切なもの(キム)を失う体験をしたんだ」って思うと、この先、クリスが抱える心の傷の深さがおそろしいものだと思うようになりました。

一度目の喪失でも(サイゴンでの生き別れ)、おそらくはもう二度と会えない、永遠に失ったに等しいと思ったからこそ、帰国後も長く悪夢に悩まされ、そして、エレンと生き直す決心をやっとしたのでしょう。なのに、再び、今度は本当に永遠にキムを失った。それも目の前で、そして明らかに自分の責任で…...一度目の喪失は、周囲からは「しかたなかったんだ、あの時は。自分たちの命を守るのがやっとだったのだ」と慰められた事でしょう。でも、今度は……

そう考えると、立ち直れるのだろうか、とそれすらも疑問に感じる芳雄クリスの姿でした。

で、ここで思いっきり冷静になっちゃうと、やっぱりエレンはキムとタムの存在を知らされ、しかも会いに行く段階に及んでもまだ嘘をつかれていたと判った時点で、身を引くんじゃなくて、クリスを切り捨てるぐらいの判断ができればよかったのにって思っちゃう(汗)。<こんなことを考えちゃうから、泣けないんだろうな、この作品で。

でもね、もうクリスの心の傷は「私ならきっと癒せる、時間がかかったとしても」なんて次元超えちゃったと思うんですよ、ラストシーンで。そして、エレンに残されたのがタム、って、未来を託して命を投げ出したキムもかわいそうだし、特に、クリスを信じて待ち続けていた間のキムを思うと本当にかわいそうだと思うけど、幕が下りた後の事を思うと、エレンも相当かわいそうになってくる。

で、結局、クリスに対してはキビシイ視線のまま!?とも言えない。

ちょうど2回目と3回目の観劇の間に、NHKスペシャルでイラク戦争でのトラウマを抱えた帰還兵たちのドキュメンタリーを放送していた。

傷ついた兵士と其の家族の姿は辛くて、この人たちもやはり戦争の被害者だと思わざるを得ないものでした。前線に立つ事になった事情だって、決して望んでいたわけでも、予想していたわけでもなく、ある日、世の中が変わって自分が前線に引っ張り出される事態になっていた、ってのもあるし。

この番組を見終えた時には、心の中で「ごめんね、クリス。あなたにちょっと厳しすぎたわ」と思いました。

でもって、断片的な前楽の芳雄クリスの感想は Why God, Why?でサイゴンに戻ってきたのは、本国に居場所が無かったから、いい場所だと思って戻ったわけじゃないし、『顔さえ利かせば……」って言ってるけど、本当はそんなことしてもいいことがあるわけじゃない、って自嘲?自虐?な物を感じさせられました。で、改めて、クリスがキムをどうしたかったのかが伝わってきた気がしました。
でもって、世界が終わる夜のようには、まだ少し混乱しているキムを落ち着かせようとするような優しい歌い方から始まったのが良かったです。

ジョンも友人に女を買ってやるような人なんだから、文字通りブイ・ドイは自分の子供なんじゃない?って思っちゃうとどうにもこうにも……2幕以降のジョンが信用なら無くなっちゃうのですが、これも、NHK特集のおかげか、もしくは相性の問題か3回目の観劇での岸さんのジョンはとても素直に2幕以降の姿が受け入れられました。

岸さんのジョンは、ある意味すごく普通の人で、クリスと同じで故国から離れて戦場のベトナムにいるって非常時な環境が現地の女の子を買ったり、友人に買ってあげたりという、道徳的にどうなのよ、って行動に駆り立てたけど、帰国して、落ち着いた場所から自分のしてきた事を振り返ったらいけなかったって思い生まれて、後悔の念から活動に真剣に取り組んでいるって感が素直に入ってきました。

ジョンは3人のキャストを3回で運よくコンプリートでしたが、私の好みでは岸さんが良かったです。

他のキャストはまったくコンプリートできず。

だいたい、クリスは芳雄くん以外を見る余裕はなかったし。やっぱりクリスに対して思う事も、キャストが違えば違うんだろうなぁ、とは思うんだけどね。

エンジニアは3回でそれぞれ違うエンジニア。市村さん→別所さん→筧さん。この順番で歌が歌じゃ……(以下自粛)。市村さんは別格として、別所エンジニアも好きでした。筧さんはさらにまた違う味わいでした。

トゥイがねぇ、何で?なんですが3回とも神田さん。比較も何もしようが無いのですが、程ほど同情もできるし、怖さもあるし、役とはとても合っていたと思いました。

でも、他の方の話を聞くと、やっぱり一度くらいはいずみんを見たかったかな。

キムは玲奈キム2回と最後がソニンキム。

ソニンキムは出だしの、いかにも街に出てきたばかりで右左もわからないってのが似合いますね。それと、クリスと言葉の違いでコミュニケーションが厳しそうなところも。ホテルのシーンは玲奈キムがエレンの存在を知って混乱なら、ソニンキムは怒りに近くて、私が見た日は、エレン、がんばんないとアメリカ人だからで勝つのは厳しそうでした。

結局、足掛け3ヶ月、3回の観劇には間にはクリス以外の芳雄くんを見るチャンスがあると言う、これまでとはちょっと違ったペースでの観劇でした。(1回目の観劇→ミニライブ→2回目→『夢のまにまに』&武道館コンサート→3回目でした)

なんか、まとまり無いけど、ともかくようやく感想を書き留められたのでホッとしました(汗)。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Aug 28, 2008

『ミス・サイゴン』@帝国劇場 8/25マチネ

宿題(?)を一つしか片付けてないのに、次の観劇記録になってしまったcoldsweats01

1ヶ月ぶり2度目のサイゴン観劇でしたが、今回のメインは両親の接待bomb

ことの発端は去年のレミゼ観劇。母と一緒の観劇の予定が両親を連れての観劇になった前回の帰り道に父が一言「そう言えば『ミス・サイゴン』ってミュージカルもあるよな」。

実は、昨年の春、両親はベトナム・カンボジア旅行をしていて、レミゼを身ながらミュージカル繋がりで思い出したらしいのです。もちろん、父は再再演があることも、ましてやそれに芳雄くんが出ることも知らずにいった一言でした。

で、好都合なんだかどうか、父上の誕生日当日の公演が芳雄クリスの日!ってことで、両親とミュージカル観劇第2弾(ミュージカル以外だと一緒に観劇体験は何度かあるので)と相成ったわけでした。

さてさて、今回は別所エンジニアなのでミーハーなパパちゃんも満足か?と思っていたら、この人だれ?でした……とほほ、絶対にテレビで見ているはずなんだけどね。プログラムを見ながらの様子では、キャストの中で見覚えがあるのは筧さんだけだとか……

さて、両親にとってはベトナム戦争は本の中ではなく、その時代にニュースでドキュメントで見てきている話だし、つい昨年の旅もあったことだし、それほど予習は要るまいと、特になんのあらすじも言わず、せいぜい、マダム・バタフライのベトナム版とだけ言っておいたのですが、結果としては開演前にプログラムであらすじを見ておいたのはとても助けになったそうですby父。

やはり、初めて見るとサイゴン陥落の混乱の中でのクリスとキムの生き別れの後、3年が突然すぎてキムの状況に大きな変化がある部分が一瞬??になりそうだったそうです。そう言えば、私たちの前の席の人たちの中でやはり初サイゴンだったらしい人がその辺りの時に隣の人に何か話しかけて、相手の答えに納得したようにうなずいていたので、やはり物語に置いて行かれかけたのではないかと思います。

その場面転換に挿入される『モーニング オブ ドラゴン』では、さすがに父も母も息を呑んで、見入ってたのが感じられました。私も、前回の観劇にもましてこのシーンの迫力が堪能できました。やはり、こういう群舞のシーンって公演回数を重ねてくと一層、動きも合うし、迫力も増してきますね。

見終わって、父はあまりこれと言った感想を口にしませんでした。母はラストでは涙を流したらしく、ハンカチを目にやっていました。私の家族はベトナム戦争中のアメリカに短期間ですが暮らしていました。(サイゴン陥落よりはずっと前)そのため、母が口にしたのは「あなたの幼稚園で一緒だったJのパパはベトナムに行っていたのよ。それからあの人もベトナム帰りだった」とか、古い話を口にしました。もちろん、私はあまりに小さい頃の話なのでJ本人のはそこはかとなく記憶はあれど、父親が軍人だったとかそういったことはまったく(というか、そもそも知るはずも無い)、父や母にとっては本当に生々しいテーマだったんだなぁ、と改めて感じました。そんなわけで、二人の感想は今回はほとんど聞くことが出来ませんでしたが、そのうち、何かの話題で出ることでしょう。

さて、以下は私自身の感想を。

今回の観劇では個人的に我が家は現在プチオペラブーム到来で、DVDなど画像でのオペラ鑑賞や資料を読む機会があったもので、どうにもこうにも「で、ミュージカルとオペラの違いって何?」ってことが頭にちらちら浮かんでしまいました。

ミス・サイゴンはオペラの『蝶々夫人』をベースにしていると言うのもあるのか、アリアとバレエ(ダンス)、オーケストラの演奏って要素を並べるとまったくもって相似形。オペラから分化したものだから相似形は当然としても、ではなにで分類されるのだろうか?ってこと。最近読んだ資料にはオペラが英語圏の文化ではミュージカルへと発展していったみたいに書いてあったけど、なんてことをつらつらと考えていました。結論としては楽しめればどちらでもいいのですが(笑)。

最近読んだオペラに関する資料の一つが、NHKの『知るを楽しむ』という番組枠で作家・島田雅彦氏による「オペラ偏愛主義」のテキスト版だったのです。この資料の中で『蝶々夫人』を扱っている回の話がやはりこの『ミス・サイゴン』に重なる部分がとても多く印象的でした。

いくつかの側面から島田氏は『蝶々夫人』とプッチーニに対してあまり好意的ではない話から始まるのですが、様々な背景や説明の後の結論が『ミス・サイゴン』に抱く気持ちに通じるものがあるなぁ、と感じました。

以下、引用です。

『そして、その地に原爆が投下されたと言う事実を私たちは知っている。あるいは、日本人男性が東南アジアにおいてピンカートンのごとき振る舞いを犯したと言う事実もしっている。そのうえで、今日もなお『蝶々夫人』を観ることができる私たちには、プッチーニが想定していたよりも、もっと多義的な解釈をほどこしながら作品を楽しむという特権を与えられているのです。(島田雅彦『オペラ偏愛主義』NHK出版)』

安全なところからの善意に腹を立てながらも、また別な何かを見ようと見ている自分の思いもそういう部分なのかなぁ、などと思ってみたりもして。

さらに今回のクリスに限定していくと"Why God, why"からの流れで、ああ、そうなのか、ベトナムの人々全ては助けられなくても、目の前の少女の人生ならば助けられる(自分はアメリカ人だから)、って思ったんだ、もちろん、「蓮のような」少女への愛しい思いもあったのだろうけど、でもって、一人でも助けられれば、自分のもやもやとしたその気持ちも救われるって思ってたのかなぁ、ってそんな感じの伝わるクリスでした。

他にも何か書きたいことがあった気もするけど、長くなったしいったん終わり。

またまた1ヵ月後になる次の観劇記のときか、途中で思い出したようにまた書くかも。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Aug 22, 2008

『宝塚BOYS』8/10 マチネ@シアター・クリエ

今回の観劇は高校時代からの友人二人との夏休みイベントとしての観劇でした。

一人はいつものミュージカル観劇友達(笑)。私自身は、二人にそれぞれ別な機会で会うことがあるのだけど、3人そろってとなると年末のM!観劇以来。

劇場に行く前に、私ともう一人のYさんファンの友人は『宝塚BOYS』はまだ見ていないけど、それぞれ、観劇仲間からの感想やら情報やらを耳にしていました。で、そんなことを話題にしていた時のこと。

私「なんか、笑えちゃったりもするらしいよ。笑いのツボに入ったって言ってた人もいるし」

友人1「えっ?泣けるいい話って聞いたけど」

なんか食い違う心構えなんだけど、結局のところきっと、笑いあり涙ありのいい話なんだよね(笑)と言うことで納得していよいよ劇場へ。

結論を先に書いてしまえば、まさしくその通りでした。一幕が終わった時点で友人1が「笑いすぎたぁ~~~」って。でもって、私は2幕で見事やられて、涙がジーン、お鼻ぐずぐずでした。

さて、クリエでの観劇は『レベッカ』以来の2回目でしたが、全てにおいてコンパクトな劇場で、今回はサイドながら前方のお席だったので本当に舞台が近かったです。

さて、席に着くと舞台には真っ黒な緞帳が掛かっています。こういうのって、なんだか珍しいというか久しぶりでした。そして、昭和の懐かしいメロディが流れています。ひときわその音楽が大きくなったらそれが開演のベルの代わりのようです。クリエって開演ベルが無いわけじゃないよね?(『レベッカ』では波の音)

物語は、戦後すぐに創設されたものの、歌劇団の舞台に上がることなく解散となった宝塚歌劇団男子部の実話を元にした青春ストーリー。6人の1期生と一人の2期生、彼らの面倒を見る劇団担当者と寮のオバちゃん、この8人が、それぞれに事情や背景を抱えて一緒に過ごした日々のアツイ思いのいっぱいつまった舞台でした。

舞台はお稽古場と寮の食堂で繰り広げられます。

時間の流れを感じさせる効果としで、寮のシーンの時、最初、終戦まもなくの頃は虫の声が後ろに流れているのですが、年数が経って来ると、電車の音が聞こえてくるようになるのがとても印象に残りました。

小さな舞台だし、役者の人数も多くない、そんな中で上手く時間の流れを表現しているなぁと。

もう一つ、時間の流れを表現するのが笑いのツボの一つでもあるダンスシーン。

集まった団員たちはただ一人の経験者星野(吉野圭吾さん)を除いてみんなシロート。ステップどころか、ポーズもなにも決まらないところから始まって、後半になるとなんとかターンらしきものは出来るようになって、と、時間の流れを見せてくれます(笑)。

そのダンスのシーンが……役者さんたちも吉野さん以外はダンスは専門ではない方ばかりなわけで……というか、ダンス以前の立ち姿が吉野さんだけまったく違う(爆)。

ヒップの位置が全然違う、肩のラインも同じ人種と思えないほどの差が!!ホント、吉野さん素敵過ぎます。

スタイルと言う意味点では葛山信吾さんがちょっと意外でした。『アンナ・カレーニナ』で拝見した時は、背が高くかっこよい人なイメージだったのですが、確かに背は高いんだけど、もしかしてちょっと貫禄が……って感じがして。う~~ん、吉野さんの横に立つってのが大変なのかな?比較される相手が悪い(良すぎる)1?TVで見てるときの方がスマートでかっこよく見えました。役柄ってのもあるのかな。

役柄と言えばその葛山さんの演じる竹内は歌が大好き!ってことで、事あるごとに歌いだすんだけど、この歌い方が『アンナ』の時もそうだったけど、独特の元気よさ(笑)でなんともほほえましいです。

他に印象に残ったのは若手の二人の俳優さんたち。二人ともとっても"カワイイ"!!本当に"カワイイ"かった(笑)。

登場人物がそれぞれにちゃんとエピソードがしっかり用意されていて、みんなに見せ所のある素敵なお芝居でした。

でもって、ラストの夢のような夢のシーン<だよね。

ダンスシーンはいろんな意味ですごいし、涙がでちゃいます。

吉野さんにとっては一番の見せ場だし、他のメンバーたちもそれこそここまでのダンスのお稽古(舞台上じゃなくて、本当の意味でのね)の成果の見せ所!

なんていうか、ある意味学芸会的空気なんだけど、でも、それがしっかりエンターテイメント化されているっていう不思議世界(笑)。

役柄の個性を出しつつも、なんだか役者本人の照れのようなものが垣間見えるような気もするし、それに引きずられてレヴューシーンの最初は少し見てるこちらもコソバユイような感覚があるのだけど、最後に羽を背負って出てくる頃には、役者たちも突き抜けちゃった何かが表情に出てて、こっちももろもろ突き抜けちゃって、一緒に感動weep

衣装の早変わりもかなりのもの、ラストは本当に大変だろうなぁ。

ともかく、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

さて、この日は団体さんも入っていたみたいだし、客層が『レベッカ』の時とちょっと違ってました。むしろ、以前に行った明治座のような空気が……お茶の間の延長感覚のお客様が結構いて、ちょっとざわざわ立ったのと、スタオベ無しだったのが残念。さすがに率先して立つ勇気は無いもので。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jul 31, 2008

『ミス・サイゴン』@帝国劇場 7/21マチネ

プレビューからで考えると、やっと、初日から数えるなら、まぁ、まだまだ初日気分の21日に見に行ってきました。

私にとっては、初めて見る作品。芳雄くんが演じるクリスの曲はコンサートの映像などで聞いていたし、ストーリーもなんとなくは分っていたけど、やっぱりちゃんと作品を見ると違いますね。

で、初めて見ての全体の感想は……感想は……なんというか、色々と表現するのが難しいです。

まずはこの日の芳雄くんに関しては、再演作品ということもあるし、5月の出っ放し、歌いまくりのタイトルロール『ルドルフ』に比べれば、出番は少ない、歌もほどほどなのでとても安心して聴いていられました。

また、ルドルフの様な熱いあふれる思いというよりは、もう少し控えめな、だけど愛情が篭った"Why God, Why?"や息ぴったりの玲奈キムとの"The last night of the world"などは歌声堪能な幸せな時間でした。

そして、ミュージカルというエンターテインメントとして見ると、ウエディングのシーンの作りやドラゴンダンサーズのアクロバティックなダンスシーンはいかにも西洋の文化から見た東洋のエキゾチックな香りがして、それをまた、実際アジアな日本人の役者たちが演じて……なんとも複雑なんだけど(汗)、でもそのエキゾチックさがショートしての華やかさを出していたし、歌の上手い役者さんぞろいの日で、本当に楽しめました。

ドラゴンダンサーズたちはホント、すごい!!なんか目をまん丸にしてみた気分です。8月は両親を連れて行きますが、きっと彼らも、特に父はあのダンスは気に入るだろうな。

それから、楽しいって言うのとは違うけど、トゥイ!!

幽霊になって出てくるシーンは怖かった!!

もちろん、自分を殺したキムに対する恨みの篭った表情や歌と言った役者さんの演技の部分で迫ってくる恐怖もなんだけど、あのシーンの動きそのものが別な意味でさらに怖い(汗)。

だって、トゥイの役者さんは幽霊なんで足元を見ずに、中の一点をじっと見つめながら歌ってるんだけど、それでさらに階段状になっている祭壇を降りてくるんですよ!!あくまでも”祭壇"であって、階段ではないわけで、いろんな飾り物はあるは、どう見ても幅も奥行きも狭そうなのに、段の高さだって階段にしては不自然で急に見えるのに、足元見ないんですよぉ~~~~。もう、その様子だけどドキドキしちゃって……恐怖倍増でした。

と、この辺までは舞台をエンターテイメントとして見て、楽しんだ部分の感想。

作品の内容の感想になると、複雑な気分です。(以下、とても個人的な考えです。)

なんていうか、誰が悪人って事じゃなくて、善意であってもその姿勢というか方向性が相手を対等に見ていないとこんなに腹が立つのか……みたいな(汗)。

エレンもクリスも、ジョンも、アメリカ人の登場人物はヒーローなんかじゃない普通の人々で、間違いなく善人だ。少なくとも本人たちはそう信じて行動をしている人たちだけど、でも、その立場が余りにキムたちと違いすぎる。

しかし、彼ら個人の問題というより当時の(今なおかもね)アメリカは学習してないわ(混血の子供たちが現地に残され、しかも社会的に大変な立場になったのはベトナム戦争に始まったわけじゃない。)、押し付けの善意だわ(戦争そのものだって善意というか主義の押し付けだし)……

エレンはとても物分り良く、キムの存在とその子供タムの存在そのものは受け入れたけれど、その実、引き取るつもりは無い。自分たちの生活は壊さずとも圧倒的な国家間の財力の違いで、十分な金銭的援助を二人にしてあげられる、というスタンス。でも、エレン自身ではそれは十分な善意と慈悲であると信じている。

クリスだって同じ。キムの3年間を思いやるよりも、自分がどれだけ辛い思いをしていたかを主張する。でもって、二人を助ける方法はエレンと同じ事を考えている。

この二人の姿を見てしまったら、ジョンのブイドイを救おうとする活動も、安全な高みから差し伸べる一方的な善意にしか見えなくなってくる。<でも、あのゴスペル調のコーラス&コーラス隊をバックに演説をしているって演出は、実際そんなある種の偽善をほのめかしているんだろうとも思うけど。

ミュージカルの舞台上だからではなく、現実でもあのようなショーアップした活動は人の注目をより多く集め、資金を得るためなのは分るけど、一方で自分は安全な離れた場所にいる事を確認し、安心しているようにも見えて、ある種の胡散臭さが漂う気がするのは私が狭量なんだろうな。

狭量という部分では、エレンが正当な妻(あれ、作品が違う!?)として最大の譲歩でキムとタムの存在を認めて援助を申し出た時に、私は思ってしまった。

「エレン、まだ子供もいないんだし、今ならクリスと別れて新しい人生を歩いた方がいいと思うよ」

全てが上手くいっているときは良いかもしれないけれど、一度何かで躓いた時、キムとタムの存在は間違いなく重いものになるし、クリスはそういう問題を軽やかに乗り越えられるタイプの人間じゃないのはすでに証明済みだもの。どうぞ、ってキムに(熨斗つけて)お返しした方がエレンのためだったと思うけどな(爆)。

はたして、サイゴン陥落の混乱でキムとクリスが離れ離れにならずに済み、無事に二人でアメリカに着いていたらキムは幸せになったのだろうか?

生きるために身を売る不幸から脱出できるだけでも幸せといってしまえばそれまでだけど、控えめに言って言葉の壁、文化の相違といった問題が生じるし、おそらくは差別問題にも直面しただろうと思う。クリスの両親たちだって、そう簡単にキムを受け入れられるかどうか、疑問だし。でもって、またまた言ってしまえば、そんな状況でクリスに上手く立ち回れる甲斐性はあるのかどうか……

と、こんな風に安全なところから差し伸べる「善意」ってのを考えていたら、最初からその予兆があったのかと実感したのが『世界が終わる夜のように』の歌詞。

キム:夢、支えなのよ

クリス:夢、もういらない

うわぁ~~~っ、アメリカって夢の国に連れて行けば、全て解決。しかもその夢の権利を自分は生まれながら持っているってことかぁ。

はぁ、せつないなぁ。

でも、この切ない思いをこの夏はまた味わいに行きますとも(笑)。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

Jun 27, 2008

『ルドルフ』3回目 (5月30日マチネ)

どこまで引っ張るんだ状態です。本当に1ヶ月前のことになってしまった……

3回目の観劇で、マイ楽。千秋楽も目前だったので舞台の雰囲気はその前の2回とは違ってより熱いものが伝わってきました。

ルドルフ@芳雄くんも声の調子の問題もあったのかもしれないけれど、楽譜より感情優先の歌い方をしている個所が目立ちました。とくに一番の聞かせどころの「明日への階段」は感情がほとばしるといった様子でした。

そのほかでも皇帝とルドルフの対立もそのすれ違いの大きさがひしひしと迫るもので、皇帝とルドルフの二人のシーンで見入ってしまいました。

2幕目の前半でルドルフに感情を移入して観るととても疲れる、というか辛いです。

ターフェの悪夢でうなされ、目覚めれば目の前にはもとより冷めた関係の妻が怒りの表情で目の前に立ち、正論を振りかざして迫ってくる。(感情論なら逃げどころがあるけど、正論って逃げどころがない分、言われる方はいっそう辛いですよ。そりゃ、もちろん正論で責められちゃう非があるって時点でダメダメなのは承知だけどね。)

しかも、あの恐怖のオッカケッコ(爆)だ。これは辛いよ。

で、父親にも否定され。

そりゃ、まぁ、いくつかルドルフ、そりゃまずいだろうって発言はあるけど(汗)。

でも、寝言には責任持てないし、そこでマリーの名を叫んでしまったのは、やっぱりそれは偽らざるところとして妻には愛情は無く、マリーには救いを求め、愛していたのだから……

まぁ、それを妻に向かって明言しちゃったら、そりゃ妻も怒るしかないし、マリーの子供を世継ぎにって発言はさすがにそりゃどうなのよ、ではあるけど。

でも、その発想自体は前向きにとるならば、自身の政治生命を皇太子の立場を捨てるつもりはないし、力を与えてくれるのはステファニーではなくマリーだってことなんだけど……

「その感情を制御できるようになるまで外ではしゃべるな」

って、こんなこと30歳過ぎた自立した人間が言われたらそりゃショックですよ。只でさえ、何の権限も無く、飾りとしての存在に過ぎないことを理解し苦しんでいているのに。

ともかく、自身の失言もあるとはいえ四面楚歌。絶望のさなかの小さなともし火のマリー。そして情熱に再び火が灯ったルドルフの演説「明日への階段」。

ふえぇ~~~、ウルウルしちゃいました。もう1回観劇するチャンスがあったらきっと次はここで確実に泣いた!っていうか、ここで終わってもいいよ、この作品(爆)。<ってここで終わったら、歴史を誤解する人が出そうだわ。

さて、前回宿題(?)に書き残した問題のシーンはこれよりもあと。

ルドルフがハンガリーの革命家たちに渡した「証」がスパイの手によってターフェに渡り、それを皇帝に差し出したターフェが「これが皇太子殿下のホンイです」(ちょっと曖昧)って言ってると思うのだけど……本当のところなんて言ってたのだろう?と、どんな意味で言っていたのだろうか?

本意?本意って場合はルドルフのそれまでの主張の「プロイセンとの同盟には反対」というのはあくまで表面上の発言であって本心は皇帝を裏切りハンガリーを簒奪(っていっていいのかな?)することでしたって言いたいのかな?

それとも叛意(はんい)?叛心(ほんしん)?私としてはこっちの方がしっくりくるんだけど。だって、皇帝との対立は明らかだったのだから、今更本意は皇帝の国土の一部を奪い取ることですって言われても、なんだか……それよりは"謀反"を企てているってはっきり言った方が良いような。少なくとも、ターフェにはそう取れると。実際、ルドルフがその証を出し渋っていたのは謀反ととられることを避けたかったからなんだし。

ってなことで、ここはどうも引っかかってしまって……

で、ともあれ皇太子の謀反の企てを目の当たりにショックを受けた皇帝、気の毒といえば気の毒です。

そしてここでこの父子を分かつ最後の一言がでます「……今夜の舞踏会にはプロイセンブルーの軍服を着て来い、それだけだ」。

ターフェの発言からも暗にその舞踏会が終わり、翌日なり近いうちに廃皇太子(廃嫡)されるだろうことが感じられます。そしておそらくルドルフにとってはそれはそれまでの努力どころか生まれてきてこれまでのの全て無になることです。皇帝の台詞の前半の「ウィルヘルムうんぬん」なんてもはやどうでもいいのです。それこそ「生きながら少しずつ死ぬ」宣告を受けたわけです。

それに対しての応えが、プロイセンブルーの軍服を身につけマリーを連れての舞踏会への出席だと思うのです。父は言った「プロイセンブルーの軍服を着て来い、それだけだ

そう、それだけならば、最期にそれだけ応えましょう。そしてあえてほかの事は背いた。プロイセンブルーの軍服はルドルフの最期の父への叫びであり、答えであり、上手くいえないのですがそんな象徴なんだ、と、私は勝手に思い込んでいたのですが、初日は着て無かったって……ああ、勝手なマイドリームらしいです(恥)。

ウィルヘルムといえば、岸さん、むしろカーロイが本来の役であって、ウィルヘルムってある意味アンサンブル的役じゃないかと……プロイセンとの同盟というのは大切なキーワードだけど、この作品ではウィルヘルムってそれこそお飾り……

カーロイとどっちの役が重要かってのをおいておいても、ウィルヘルム、もっと描写してくれれば良かったのに。せっかくエドワードもほんのちょっとだけ出てくるんだから、あの時代、あの3人の皇太子がどんな立場だったのか。舞台上はウィルヘルムは皇帝にだけど成り立てなので、あえて皇太子と表現してます↑。

ルドルフは前任者(フランツ)が丈夫すぎてなかなか順番が回ってこない、一方、ウィルヘルムは前々任者が長引いたおかげで彼の前任者は皇帝の地位に着いた時にはすでに余命わずか(90日だっけ?)。するりとその地位を手に入れた。でもって、オーストリアのドイツ人たちを取り込んで国を大きくする野望のためにはオーストリアで人気の皇太子ルドルフは邪魔な存在。ルドルフには政治の才能が無いなどの評判をあおっていたのだけど、その辺りのことがない。ただ、3人の皇太子の仲で先抜け(?)したことを鼻にかけてエドワードを小ばかにするシーンだけ……もったいないよ。

エドワードも前任者(ビクトリア女王)が丈夫過ぎで順番が回ってこない(汗)のはルドルフと一緒。でも、ビクトリア女王が先見の明のある人物だったのとエドワードの性格でルドルフとは違った道を歩めてる。

うーん、そういう意味では確かにルドルフとステファニーの間に男児がいて、自分は無理でも息子に自分の考えを引き継いで帝国を引き継ぐという目標があればルドルフの人生も違ったのかな。(でも激動の時代の動きが判ったいた人物だから、フランツに任せたままでは自分の息子にまで引き継げるかがかえって不安になるかも。)

あ、舞台を飛び出して話が史実の方に行きそうだ(笑)。

さて、舞台に戻して、でもお芝居そのものとはちょっと別なことで気になったことを。

私はこの作品に芳雄くんが出ることがわかってからずっと「不倫も心中も好きじゃない」って言い続けて、結果、この作品はそこと違う部分に好きなところを見つけて気に入ったけれど、やっぱり「不倫も心中も好きじゃない」は変わらない。

でもね、それらが文学が芸術、エンタメのテーマとして扱われることに対しては認めているし、名作といわれるものが多いのも知ってる。ましてやこの話はその部分はノンフィクションだし、舞台背景の世紀末のウィーンは閉塞感から自殺が多発したのも事実なんだから変えられることじゃない。

にもかかわらず、舞台関係者、特に役者たちが余りに「心中はよくない」って取材や舞台挨拶で言うのはどうなんだろう?これは、私が個人的な好みを言うのとはちょっと違うじゃない。

って、思ってたんだけど、これって役者の意見ってより製作サイドからにじみ出てくる発言だったのかな、と。

ちょうど時期的にいや~~~な自殺事件が続いていたりしたし、影響を受けたとか言われるのがいやなのかなぁ、とこれまた勝手な深読みをしてみたりして。

さて、いろんな意味で長々引っ張った『ルドルフ』もこれでおしまい!

って言いたいところだけど、マイ楽直前に駆け込みで読了した原作本の感想をまたそのうちに。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

Jun 21, 2008

『ルドルフ』2回目

2回目の観劇からはすでに1ヶ月以上が、3回目からもだいぶ過ぎてしまいましたので、2回分を一つのエントリーにまとめてしまうことに。

と思ったけど、書いてたら2回目分だけで十分長くなりそうです(笑)。

5月17日ソワレ

この日は、昼は『レベッカ』でマチソワ。人生初のマチソワ体験でした(笑)。

そして、人生初はもう一つ。帝劇の最前列での観劇。

世田谷パブリック、日生と最前列に座る幸運に恵まれてきましたが、ついに、ついに帝劇でもその幸運に!

実に、これは同行の友人の籤運のよさのおかげでございました。

世田谷パブリック、日生ではオケピが舞台手前に無くて、本当に舞台が近くて、首が痛くなるほどでしたが、今回はオケピをはさむので程よく見上げる感じでした、が、が、が、センターには伏兵が……塩ちゃんの頭(爆)。

大変申し訳ありませんが、ちょっと視界に入ってしまうのが辛かったです。

2回見て、やっぱりこの作品、意外や意外に好みに合うなぁと改めて思いました。

ずっぽり、がっちりルドルフ視点で見ていると、一人前の年齢になっているにもかかわらず、教育はしっかり受けていて、考える力も考えもあるのに、何の権限も与えられず、それどころか阻害され、役割を果たすこともできず、たんなるお飾りとして生きなければならない、これはひどい苦痛だと思う。

そんな中でも、少しでも自分にできることを何とかしたいと思い、苦悩する姿ってのがいいなぁ。

上手く自分でも説明ができないのだけど、自身の考えを持ちながらも上の意向の元、自分の中の正義が貫けない状況ってのが物語として好きという傾向はあるな、と。たとえば映画『遠すぎた橋』なんかも、このパターン。上が立てた机上の作戦の無茶を感じながらも現場の将兵たちは従わなければならない、そんな苦境の中でも少しでも可能性を探し続けて……って話が好きなんですよね。最後は撤退していくところで終わるのだから、全然ハッピーエンドじゃないのに。でも、何故か好きな映画なんですよね。

で、この『ルドルフ』にはそれに近い何かがあるようです。自分でもそのツボが上手く言葉では表せないんだけど、私のツボが二つの作品には共通しているようです。そうそう、この二つの作品にはもう一つ共通点が。それは音楽。そんなアンハッピーな結末を迎える話なのに明るい曲想のテーマ曲だったりするんだなぁ、これが。でもって「明日への階段」のメロディーラインはちょっとだけ「遠すぎた橋」のテーマ曲に重なるし。

とまぁ、観劇中にこんなことまで考えていたわけではありませんが。

さて、この日の舞台上の出来事はステファニーがルドルフを追い詰めて歌うシーンで、カーテンを思いっきり引っ張ったら、それが落ちる時に見事にステファニーの頭を直撃!おだんごがヘアが崩れました。

でも、その後、お団子ヘアーが崩れてるのが普通だったみたいだから、あれはカーテンの落下と関係なかったのかなぁ?

ところで、賛否両論のいろんな演出の中で、数少ないそれはどうよ?と感じるシーンが実はこの追いかけっこ。

ルドルフがステファニーの追求から走って逃げるのはありだと思うけど、それをステファニーがお妃が"全速力"で(少なくともそう見えてしまう)追いかけるってのはどうなんだろうか、と、どうしても思っちゃうのよね。

ステファニーが必死に走れば走るほど、このシーンは実はその直前のターフェのシーンから続いてまだ夢の中なのではないかと思ってしまうのですよ。セットの構造の問題でお妃も走らざるを得ないのかとは思うけど。

さて、この日は私はこれまた意外なことにラストの心中直前のシーンで鼻の奥がツーンって感じに来ちゃいました。

すっかり居場所をなくしてしまったマリーとルドルフがあちらで弾かれ、こちらで弾かれして、最後の場所に立っている、そんな感じがしました。仕方がなかったんだね、って思える自分にびっくり!みたいな。

さて、同行の友人の感想としては、浦井君素敵!歌い方も変わったね、でした。くすん、芳雄君はぁ!?

それと、彼女は大道具の移動させる人が気になるとの事でした。

というか、あれは気になっている人の方が多いみたいですが、最前列で見ても、私は意外に平気でした。

どうも、もとから脳みそのキャパシティの問題か、見なくていいものは面倒なので見ていないというか、存在を無視しちゃうようで……それでも、人っていうか、サスペンダーだけは気になって仕方なかったけど(汗)。

それと、大道具の人より気になるのは音でした。こっちは集中している分、フィルタリングできない。

しかも、一番うるさいのが音楽の無いシーンと来たもんだ。ごーん、ごーんって何の音?って気になるのはちょっとね。

と、あれこれ書いているうちに結構多くなってしまった。

まだ、勝手に語りたいことはあれこれあるのでやっぱりマイ楽は別エントリーで書きます。

覚書として

・ターフェが問題の箱を持って言う台詞。

・ルドルフは何故最後にプロイセンブルーの軍服を着たのか。

多分、次にちょっと勝手な思い込みを書くつもり。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

Jun 18, 2008

『レベッカ』@シアタークリエ 5月17日マチネ

すでに観劇した日から1ヶ月が過ぎてます(汗)……

5月は走り去り、そして6月にそのツケを払いつつ、なんとか7月を楽に過ごせるようにとしているつもりなのに、何故か、まだ自転車操業……そんな状況でブログもすっかりオサボリでした。

さて、1ヶ月前の記憶を掘り下げましょうか。

初のクリエでの観劇でした。赤い色が印象的な内装です。新しい劇場だけあって、おしゃれな空間なんですが、確かに狭い(汗)。ホワイエ狭いし、お手洗いも一方通行って(笑)。

座席は一種のみ(値段的には帝劇のS席)なので、座席、ホワイエともに、規模としてはル・テアトル銀座からA席を取り除いて、その分ホワイエも削りました、な感じ。

お席に着いたら、クリエの入っている施設、日比谷シャンテとの提携のチラシ?が。ふーん、半券で割引サービスとかあるのかぁ、と、見ながら開演を待ちました。

あ、この日はいつもの祐一郎さんファンの友人と、そのファン友さん(お初)と3人で観劇でしたが、私だけお席が少しはなれてました。

リピーターさんたちとご一緒したのですが、ありがたくもネタばれは無し(とはいえ、自力で映画のレベッカでは予習済みですが)だったので、照明が落ちて、開演ベルの変わりに聞こえる波の音は効果抜群、緞帳のマンダレイの門の様子と合わさって、舞台の世界にずずっと引っ張り込まれるようでした。

映画同様に「わたし」<ヒロインなのに名前無し!ってすごい設定ですよね。これは原作者に恐れ入ります のモノローグから始まります。ちひろちゃんのソロからです。

って、えぇ~~~~~~っ、ちひろちゃん痩せてる!!

いやぁ、この間、久々に見た『アテンションプリーズ』でまん丸、パツンパツンに若さがはじけてたのに<ちょっと失礼!?

そして物語の全ての始まりになるモンテカルロのホテルのシーンへとつながっていきます。

ここでの「わたし」の様子はちひろちゃんに似合ってました。世の中のことをまだそれほど知らない、すこしおどおどとした若い女性、モンテカルロで見かけるだろう社交界の人々とは異なる様子が程よかったです。衣装もわざとそうしてるのか、本当に大変な役で痩せちゃったのか、ちょっとサイズがベストフィットじゃないの。デザインも少し、垢抜けない感じなんだけど、それがまた似あってて<褒め言葉に見えないけど、褒めてる(笑)。

でもって、マキシム@祐一郎さん登場。ローレンス・オリヴィエのマキシムは憂いと同時にキリキリとした神経質そうな空気を最初から纏ってるように感じたのですが、祐一郎さんのマキシムは……なんかアヤシイ人ではあるけど(ゴメンナサイ……)

いや、でも、本当に年相応?の普通の人の祐一郎さんはかっこよかったですよ。ちょっと背が高すぎて、セットが小さく見えますが(汗)<舞台もコンパクトだから、セットもコンパクト。

お衣装もかっこいいものが多かったし。(ボタン全部しっかり締めたトレンチコート姿はファンの目にも若干……だったようですが<詳細は伏せさせていただきます)

それと、舞台がモンテカルロからマンダレイに移って、ダンヴァース夫人(+レベッカ)が「わたし」を追い詰め始めてからは、映画のマキシムだとキリキリ、カリカリ感が強く、マキシムはいったいどちら側なんだろう、と不安になるのですが(初めて見たからかもですが)、祐一郎さんのマキシムだと苦悩はしているけど、「わたし」側だと感じられて、「わたし」がそんな、ある意味困ったチャンのマキシムを見捨てずに、最終的には支えるまで成長するのがするっと納得できて、私はこっちのマキシムの方が疲れないので(?)好きです。

で、その(どの?)ダンヴァース夫人ですが、歌うダンヴァース夫人は怖さ倍増です。

映画で見たとき、どういう風にミュージカルになるのかさっぱり想像つかなかったし、とくにダンヴァース夫人と歌が結びつかなかったのですが、これはすごい。

リピーターの同行者たちに言わせると、この日のシルビアさんはお疲れだったのか、迫力が少し落ちていたそうですが、私には十分でした。むしろ、あれ以上怖かったら、怖すぎてブルブルですって(涙目)。

「わたし」とダンヴァース夫人は最高のキャスティングです!そう思います。プラス、この二人はホント、大変だし体力気力の必要な役どころだわ。

もちろん、他のキャストもそれぞれに素敵でしたけどね。(でも、禅さんや吉野さんは、素敵だけど「ルドルフ」のあの方やあの方のようにもったいない……もっと出てきて、もっと歌って!でした。)

ミュージカルの「レベッカ」の音楽は『M!』『エリザベート』でおなじみのリーヴァイさんなわけですが、これが時々おなじみのメロディーを感じさせる曲があって。

特に、場面的にもデジャヴなのがマンダレイの使用人たちのコーラスシーン。

マキシム様が衣装を赤いマントに変えて出てくるのではないかと、瞬間思ってしまいました(笑)。

わたし」の逆襲が始まるとレベッカの象徴として現れる「カトレア」に対して、「私の好きな花は”つつじ”」って歌うんだけど「えっ、つつじ!?」

季節的に、その辺りの植え込みのありふれた花で、カトレアとの落差にどうなのそれ?だったのですが、あれって西洋つつじのアザレアなのかな?そうすると少し華やかなのもあるよね……これはちょっと元の詩が知りたいな。

さて、見る前はミュージカルでサスペンスってどうなのかな?って疑問もありましたが、実際に観劇してみると時間があっという間に感じるほど楽しめました。へぇ、意外にサスペンスなミュージカルもありだね、って感じ。

思えば、恐怖も起伏の大きな感情だから音楽との相性はいいのかも知れませんね。

そんな、たっぷり『レベッカ』の世界を楽しんだ後は、19世紀終わりのウィーンへ旅立つのですが、その前にコロニアルなアジアンテイスト!?で一休み。

3人でペニンシュラへお茶しに行きました。

入り口のロールスロイスを見て「さぁ、これに乗ってマンダレイに向かいましょう(違)」などとお馬鹿なのりなまま、クリエの5番バルコニーの噂とか(怪人がラウルを招くってどうよ(爆))、楽しいおしゃべりとおいしいお茶を満喫いたしました。

さすがに週末だったのでロビーのお茶は行列で地下のブティック&カフェの利用でしたが、こちらのアフタヌーンティーセットの方が小ぶりで量的には良かったです。(かつて、香港のペニンシュラでアフタヌーンティーに挑戦しておなかが膨れすぎたことあり)

ペニンシュラアフタヌーンブレンドはアッサムがベースのミルクに相性のよいお茶だったし。お土産に買った、プレーンとメープルのマドレーヌもおいしかったです。

さて、1ヶ月前を振り返るパート1終了。パート2は皇太子のお話だけど、いつ、書けるかな。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 26, 2008

『黒部の太陽』舞台化ですか……

久しぶりに神田正輝センサー発動しました(笑)。

先週末に久々の帰省をして来て、ちょっとさすがに疲れたし、家でしなくてはならない仕事(結局、手をつけてないけど<おひ)もあるしで、久々にジムをサボってTVをつけっぱなしに。

はい、そういう時にはしばしば飛び込んでくるんです、神田正輝の活動のニュースが(笑)。

ほえぇ~『黒部の太陽』が舞台化だそうです。

で、神田さんの役どころは映画では三船敏郎が演じた役になるとか。

まだ今の発表ではよくわからないのですが、どうやら劇中劇というか黒部でのダム建設のドラマと映画作りのドラマの両方の話みたいです。

ふ~~~ん、以前、神田さんが舞台出演はもう考えていないみたいな発言をしていて、ちょっと残念に思っていたのですが、また舞台に立ってくれます。でもって、今度は50年前の話とはいえ"現代劇"!!

でも、大阪ですかぁ……無理かな、見に行くのは。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 10, 2008

『ルドルフ』@帝国劇場 5月9日マチネ

やっと、ってほど初日から時間はあいていませんが、行って来ました。『ルドルフ』。

まずは一言「よかったぁ~~~~heart02」です。

オーストリア皇太子ルドルフの苦悩の半生と世間を驚かせた若い愛人との心中の物語ですから、「楽しい」って言葉とは無縁な感じもありますが、でも「楽しみました」。

物語の中心と結末である"不倫"と"心中"はどちらも私は好きじゃないテーマ。同意も出来なきゃ、同情も出来ない。そんなマイナスの要素がたっぷりな物語なのに、でもやっぱり良かった(笑)。

「楽しめた」大きな要因は音楽にあると思います。

全体に壮大なオーケストラを駆使した音楽なんだけど、楽しいシーンは楽しく、美しいシーンは美しく、そして迫力の力強い曲も!とシーンと音楽の組み合わせが素直でわかりやすいし、でもって全体を通して音楽がきれいなのです。

そして、芳雄くんのファンとしては本当に良かったのがタイトルロールの芳雄くんの曲が多いのはもちろん(笑)、それらが彼の音域や声にとてもよく合っていて、聞いていて本当に気持ちが良かったのです。

しかも上に上げたようにヴァリエーションのある曲なので、彼の最近でてきた大人の男性らしい力強い歌声が堪能できる部分もあれば、変わらずの繊細な声を味わえる曲もある、そしてマリー役の笹本玲奈ちゃんとの力いっぱいのデュエットあり!!贅沢です。

さて、私の好きじゃない"不倫"と"心中"なんだけど、実はもともとルドルフの物語そのものは好きだったりすします。マンガですけどね『天上の愛 地上の恋』by加藤知子。しかも、ラストで心中してないし、ルドルフが一番好きだった相手は皇妃じゃないのは当然として、マリーでもベッツィでもなけりゃ、げふんげふん……な話だけどcoldsweats01

ともかく、ルドルフと皇帝の対立、そして皇太子という立場の閉塞感と時代と場所が持っていた閉塞感、それでもあきらめ切れずにあがくルドルフの姿がお気に入りだったのですが、今回の舞台は恋愛の部分だけではなく、そういったルドルフの政治的な立場の苦悩にも言及されていた所が私にはgood

しかも今回の皇帝フランツ・ヨーゼフ役の壌晴彦さんがなんともいい意味で(?)妖怪的で、いかにもルドルフ視線でみた皇帝の姿って感じ。( 綜馬さんや禅さんの端正なフランツはきっとシシー目線(笑))

いかにもルドルフの言うところの500年間続いてきた帝国をただそのままの形で"守る"ことだけに固執していて、しかもルドルフにとっては壁のように立ちはだかるもの。そういう空気が良く出てました。

そして、皇帝というか皇族を傀儡として自分が世界を動かそうとしているこれまた魑魅魍魎的なターフェも岡さんが怪演だし、皇妃ステファニーも怖いというか、いくら正論だとしてもあの勢いで追い詰められたら、そりゃ逃げるわ(爆)、って気分にとてもしてくれていて。

どんどんルドルフが追い詰められていく様子は納得!

玲奈ちゃんのマリーも若さゆえの直情さと思い込みの強さが感じられて、二人の成り行きにブレーキがかけられない状況になっていく様子が伝わってきました。

もちろん、どんな状況だろうと"不倫"も"心中"も肯定はできないので、残念ながらラストで涙ぐむってわけにはいかないんだけど(汗)。

それであっても、ともかくとても楽しめました。

そうそう『天愛地恋』ファンとしては、出だしのルドルフとフランツのやり取りの最後の方で「お前の困ったいとこのヨハン・サルヴァトーレに会いに行きなさい」(不正確)「ユリウス・フェリックスのペンネームで論文を云々」で不覚にも噴出してしまった。ああ、ジャンナ、名前だけだけど出てきたよ(笑)。

もしも、ジャンナがもっと活躍する作品だったら、ぜひニイロにいさんにエロワード(違)じゃなくて、ジャンナを演じて欲しいなぁ。

ということで、満足!な観劇になりました。

次に行くのが楽しみです!

| | Comments (2) | TrackBack (0)

Mar 02, 2008

『ウェディング・シンガー』2/28千秋楽@日生劇場

あまりにドキドキしていたためか、実況エントリー(↓)は画像がひっくり返っております(笑)。

ともかく、本当に良かったちゃんと観られてhappy02

開演前のロビーでは芳友さんたちにもお目にかかれて、前回の不幸を労って頂きました。やっぱりファン友がいるのってうれしいなぁ。幸せをかみ締めながらお席へ。

今回は1F席のセンターブロック、下手側通路より。縦方向(?)にも真ん中あたりのお席でした。(たどり着けなかった24日も同じような場所で少し前のはずでした)。千秋楽にやっとある意味よく見える理想的なお席での観劇となりました。(贅沢な発言なのは確かだけど、それでも最前列って観劇そのものには向かないと思うもの。)

座席に座ってみたら思ったよりは舞台も近く感じられて、オペラグラス要らないな、って感じでした。実際、オペラグラスはバッグから出すことなく観劇しました。

開演15分前の楽しいアナウンスも今日が最後と思うととっても貴重。今日はどんな熱いお芝居になるのかな?って千秋楽独特の空気で客席もなんとなくみんなワクワク、ソワソワな空気です。

いよいよ塩田さんの指揮棒が上がってミュージックスタート!!

そうそうWSの良い(?)点の一つは芳雄くんというか主役が最初から思いっきり元気なナンバーを歌いながら登場してくるところです。先にアンサンブル中心の曲が1曲あって真打登場!みたいに主役が出てくる作品も格調があるけど、やっぱりおいしいものは最初に味わいたいsign02メインを最初に出し惜しみせずにドーンって太っ腹でうれしいじゃないですか(笑)。

でもって、全然ウルウルするようなシーンじゃないはずなんだけど、オケボックスの下からア・ハッピー・ニュージャージーが現れ、ロビーの歌声が聞こえてきたら、個人的にウルウル。

日曜日の我が家的通称「マーケットガーデン作戦」<ってマニアックな(笑)の苦い思いが……ってのは50%ぐらいかな。残りの50%は「やっぱり芳雄くんが舞台で歌っているのを聞く(観る)のが好き!」って思いで胸いっぱいでした。

もちろん、これまでの作品で多かった透明感のある歌声もいいけど、今回の作品のような力強い歌声もどっちもなにより生で聴けるのが一番!

CDやDVDでライブを聞いていても、やっぱり生とは違う。その瞬間舞台の上からその瞬間の芳雄くんの思いを乗せた声を、そこに同時にいる自分が受け止められるってのはまったく違うのだと改めて認識しました。<贅沢な話ですが(汗)。でもって、その魔力が舞台観劇の怖さだわcoldsweats01

ただ、私にとってはそこまで思い込める役者さんがまだ芳雄くん一人なのは幸せなのか、不幸なのか微妙なところだわ(笑)。

何せ千秋楽からすでに日にちが経っているので、あちこちのブログなどにレポはあがっているから、事細かに書く必要はないと思うけど(書けないし)、千秋楽独特のノリとハプニングで笑いに拍車の掛かった舞台でした。

一番大笑いだったのは、申し訳ないけど芳雄くんのギターでの失敗。リンダとの結婚式で歌う曲をジュリアに聞かせるシーンで、いきなり出だしのコードをミス!ものすご~~~い不協和音がジャラ~~~ンnotes

千秋楽を入れて3回しか見に行ってないけど、確かにギターはあからさまに素人なのは見え見えでコードを押さえる左手を確認しながら演奏しているのは苦笑ものだったけど、あそこまでのミスはそれまで無かったのに。よりによって、千秋楽でやるかなぁ……おかげで客席大爆笑。芝居をちゃんと戻すのにさすがにちょっと手間取ってましたね。でもまぁ、これも笑えるハプニングで流せちゃうのが千秋楽マジック!?それとも、この作品ゆえかな。

役者さんたちも千秋楽のサービス満点、200%の力でお芝居を見せてくれていたけど、観客側もこの日はいつもよりも手拍子も拍手も笑いも増量サービス(笑)。ミュージカルを見てるのか、コンサートかライブを見ているのかわからないノリ。でもって、ホント、じっとしては見てられない。(だからといって、前のめりになったり左右に大きく揺れるのは勘弁して欲しかったけど>前の人(汗))

このWSって作品、ストーリーそのものが能天気に楽しいだけ楽しめるエンターテイメントなのは当然だけど、楽曲はノリの良い曲あり、シャウトあり、バラードありでバラエティに富んでるし、ダンスもたくさんあってみてる分に本当に楽しい。でもって、今まで知らなかった役者さんの魅力を知るきっかけにもなったなぁって。

初風さんのチャーミングなおばあちゃんはエリザベートのゾフィからは思いも寄らないし、しかもこっちのが魅力的。そうまさんもDIVA2003のDVDでその片鱗は見せてくれてたけど3枚目がこれまた楽しい。3枚目なのに歌うとすっごく変でおバカ歌詞なのにかっこいいところがまたすごいし。新納さんもここまで色っぽいとは!

樹里さんは以前にシアターテレビジョンで放送されたミュージカルガラコンサートの時には特別に印象に残らなかったのですが(失礼)、今回はインパクト大。舞台で演技をしながら歌い踊る姿を生でみると、そのダイナミックな容姿が本当に舞台栄えするなぁっと。

でもって、へぇ~、只者じゃないんだって思ったのは大澄賢也さん。

私の世代だと、ご本人もパンフで楽日の挨拶でも触れていたあの結婚のことが頭をよぎってしまうんだけど、その話題だけでいる人じゃなかったんだ。嫌味な男の演技もそして何よりダンスが素晴らしい!もう40歳代なんだよね?それであの動きと足の上がりよう!!文句なしにプロでした。プロフェッショナルってああいう人のことをいうんだようなって。それにしても、あの大きく見えちゃう顔(ごめんなさい)がペラペラなデロリアンの窓や飛行機の丸窓からのぞいてると、それだけで笑える。あんなにあの大道具にマッチする人は他にいないに違いない(笑)。

そうそう大澄グレンにとっての千秋楽ハプニングは結婚式の引き出物選びをしているジュリアたちのところにCDプレイヤーの入った大きな箱をもって登場のシーンであの巨大携帯電話(当時は移動電話って言っていたような気もする)の受話器がポロリ。これまた笑いでかわしていらっしゃいましたが。

他にもリンダのでんぐり返しやら、一番似てない偽レーガン(笑)への惜しみない拍手とか、ステージの上も客席もほんとににぎやかな公演でした。

そうそう、おまけ的なにぎやかさといえば、芳雄くんのファンクラブの名誉会員でもある橋本さとしサン。お約束どおりのWS観劇にお見えでした。で、休憩時間にロビーから席に戻られる時に周囲から黄色い歓声と拍手でお出迎えされていました(笑)。さすがに一瞬ひるんでいらっしゃったような。でも、驚きつつも笑顔でお席に戻っていかれていました。

ともかく全編盛り上がって迎えたカーテンコール。コレはもうテンション上がりまくり。他人事ではなく、私自身もペンライトをしっかり振ってきました(笑)。

おそらくペンライト振りは芳2の貸切公演参加組みがリードして広めたのでしょうけど、この日はヒロインのファンも負けて無かったです(汗)。

いやぁ、初めてなまで聞きましたよ「たかこちゅわ~~~~ん」という感じの男性のあの掛け声!

これが噂に聞くアイドルコールなのね。これまた千秋楽ではのノリ、ですよね、きっと。

さて、最後の最後に今まで書けずにいたちょっと辛い(?)感想を。

実は、前半の観劇の時には作品そのものはとっても楽しんだし、良かったんだけど、どうしてもエンディングで結ばれたロビーとジュリアが本当に末永く幸せになれるかどうかに疑問を感じざるを得なかったのです。流されやすいジュリアと頼りないロビーの間の絆がいまひとつ、で。二人の間で惹かれあった価値観みたいなものが伝わらないというか。<誤解の無いように、ファンゆえの嫉妬じゃありませんよ。虚構相手にそんな感情を抱くような年齢じゃありませんので。

映画ではジュリアとロビーの価値観や感性の近さがいろんなシーンに散りばめられていたのだけど、ミュージカル版だとどうしたって同じ時間の長さの中で楽曲やダンスが入る分そういうシーンは割愛されるし、もちろん舞台装置上難しかったりもするから同じには行かない。だから仕方ないのかなぁ……って2回目の観劇までは思っていたのですが、千秋楽の二人はちゃんとラブラブでこの先も末永く幸せ!って感じられるようになっていましたlovely

芳雄くんの次の舞台はまたまた悲劇のプリンスだけど、またこんな弾けた楽しいお仕事もぜひして欲しいな。

いい加減まとまらないけど、ともかくここまで。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

Feb 18, 2008

『ウエディング・シンガー』@DVD2回目(笑)

日生劇場ではトークショー付の公演が盛り上がっているだろう時間帯に、我が家でDVDを鑑賞していましたmovie

前回の鑑賞は一人で見ましたが、今回はパートナー氏も一緒に。

ドリューの映画だし、ラブコメディだし、彼の好みに合うはずなんだけど、なにせ同タイトルの舞台に4回も(2月って29日しかないのに4回上京って……我ながらあきれるけどcoldsweats01)行こうって私を目の前にしては素直には楽しめないのは致し方ない。本当は、舞台も一緒に見に行きたかったけど、もろもろ事情でそんな雰囲気じゃないしね。せめて映画で楽しさおすそ分け!?<そうは思っていただけなかったようですが(笑)。

映画もやっぱり出だしから笑わせてくれます。パートナー氏はさっそくジョージの存在に目をつけてました(笑)。

「あれって、ボーイ・ジョージ風味?あれも舞台にでるの?」

はい、もちろん。でも舞台のジョージの方が数段美しく(笑)、芸達者です。だって、映画のジョージは明らかにモンスター系(爆)だし、カルチャークラブの1曲しかカバーできないし、それに比べて舞台版のジョージはキッシュだって作れるし(笑)<あんまり関係ないか!?

舞台の方がいいキャラになっているのはロージーおばあちゃんもそうかも。知り合いのおばあちゃんから肉親に変更されているからってのもあるけど。あの衝撃の告白も肉親だと衝撃も一段とshockだわね。

85年ネタは映画の方が直接的にたくさん出てきます。使っている曲が舞台だと85年風だけど、こっちは本当に85年の曲を使ってるシーンがあるし、本当にコネタのように出てきます。

舞台でも強引に!?出てくるデロリアン(笑)、本物はすごいです。ドアだけで舞台上のデロリアンよりずっと重たそうです(笑)。

舞台のデロリアンもある意味最高!そして何より、あの窓からのぞく大澄グレンの顔がサイコー!どう見たってマンガhappy02

グレンも舞台のグレンはちょっと憎めない愛嬌もあるんだけど、映画版のグレンは悪役です。パートナー氏は「あれ、なんとかしてよ」って言い出しました。大丈夫、ラストにちゃんと片付けられるから、って宥めながら続きを鑑賞。

リンダが戻ってきたところでのヴァン・ヘイレンのTシャツは映画も舞台も一緒。

で、ハッピーエンディングの手前のお約束のシーン。映画はファーストクラスの乗客をビリー・アイドルも込みで味方につけての逆転劇。でも、舞台じゃ本人を連れてこられない、ってのと目的地はラスベガスってのを上手くアレンジしてるなぁって再びウンウンって感心。

シーンとしては映画の方が好みなんだけど、舞台は舞台であれもありかなって。

ブツクサ文句をつけながらの鑑賞だったパートナー氏ですが、笑い声が時折聞こえておりました。やっぱり"Somebody kill me"は大笑い。芳雄くんの"Somebody kill me"もなかなかイケテタよ!一緒に見に行けなくて残念だよ、と、心の中で思ってみたりして。

さて、次回の観劇はいつものYさんファンの友人と。

なんと85年ごろはバリバリの洋楽ファンだったとか!!こりゃ長い付き合いなのに知りませんでした(笑)。<お互い遠くにいたからね、あの頃は。どんな反応を示してくれるかな、楽しみ!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Feb 17, 2008

『ウェディング・シンガー』2/11芳2倶楽部貸切公演@日生劇場

あっという間に1週間が経ちそうです。いやぁ、早い、早い。

『ウェディング・シンガー』二度目の観劇は、井上芳雄くんのファンクラブ貸切公演でした。

この日は、終演後にイベントとしてトークショーつき!

温泉同室メンバーで今回参加組みの皆さんとランチをした後、劇場入り。

お席はそれぞれバラバラなのでしばしロビーで立ち話をした後、それぞれの席へ。

今回、私の席は2Fの下手端っこ(汗)。マイ初日が最前列上手だったので3Dで対角線移動でした(笑)。

まぁ、最前列は迫力はあったものの良く見えない部分もあったので、今回はそっちが見られると思えば悪くないか。でも、手拍子いっぱいしてるとオペラグラスを使えないよなぁ……って悩みもちょっと。

さて、席に着いたところで入り口で手渡された袋の中身を改めてチェック。

メッセージ付ポストカードに各種チラシ、そしてペンライト!?flair<って電球じゃなくて、二種類の液体をミックスすると発光する仕組みのスティックね。

なになに、カーテンコールで振ってくれとな(笑)。いいでしょう、思いっきり振ることにしましょう。でも、カーテンコールってどこからかなぁ。エンディングとカーテンコールが一体化とまでは言わないけど、フィナーレのノリがカーテンコールに近いというか……

まぁ、ともかく舞台を楽しみますよ!!

なんたって、満員御礼状態の上に全員が芳雄くんファン!これほどの好条件